| お盆ということで山小屋の混雑が見込まれテントを担いで登ることにした。つい先日足のリンパ腺が腫れて歩けない日が続いたので心配ではあったが、笠新道の急登を順調に登る。穴毛谷源流部はガスがかかり幻想的な風景が見られた。杓子平のお花畑を見ながらさらに登る。新穂高から6時間ほどで小屋手前のキャンプ指定地に到着。さっそく雪田脇の一番よと思われる場所にテントを設営。小屋は満員のようだがキャンプをしている人は少なく快適。段々とガスが切れよく晴れてきた。山頂を往復し夕食の準備。暮れ行く山を見ながらの夕食は最高。夜は満点の星空。見飽きることはない。翌朝は今まで数々山の上で夜明けを体験した中でも最高の気象条件。上空には雲一つなく、下界は雲海。黒から紫色、ワインレッドからオレンジに変わりゆく雲海と空はどんな素晴らしい映画よりも感動を与えてくれる。静けさも都会では絶対体験できないもの。地球と一体になれる瞬間である。これ以上の幸せはないのではないかとさえ思う。陽は槍の肩から昇り、山は赤く焼ける。雲海は急速に溶けるように消えはじめる。感動のドラマを見ながらの朝食もまた贅沢この上ない。正面には槍穂連峰が聳え、右手に目を移すと乗鞍、御嶽が徐々にはっきり姿を現し、北アルプスの山々も目覚めはじめる。陽が高くなるまでの感動ドラマを充分堪能し、テントをたたみ今日の宿泊地である双六に向かって縦走する。常に正面には槍が聳える。高山植物も多く、イワギキョウ・チシマギキョウ・ミヤマリンドウなどの紫色の花が特に目をなごませてくれる。しかしこの晴天で陽をさえぎるものは何もなく、重い荷物も肩に食い込み辛い徐々に縦走となってくる。雪渓にフルーツの缶詰の蜜を垂らしかき氷をして食べるものどの渇きは癒せず。陽は高くなりジリジリと肌を射し汗も吹き出て止まらない。ばててしまって翌日の天気もよくないという予報なので、途中の大ノマ乗越から下山することにする。バテバテで新穂高温泉に着き、ひとっ風呂浴びて帰る。 |